【人材】「高鳥尽きて、良弓蔵わる。 狡兎死して、走狗煮らる。 敵国破れ、謀臣滅ぶ。」
「人は城、人は石垣、人は堀、
情けは味方、仇は敵なり」
人材こそが強固な守りになる。
情けは人の心をつなぐ事が出来る。
しかし仇が多ければ結局は国を滅ぼす事になる。
「負けまじき軍に負け、
それがしに於いては天命とは思はず、
亡ぶまじき家の亡ぶるを、人みな天命と言う。
みな仕様の悪しきが故と思うなり。」
意味は、
「負けることのない戦に負け、
亡ぶことのない家が亡ぶのを、
人はみな天命と言っている。
自分は天命とは思わず、
みなそのやり方が悪いためであると思う。
つねづねやり方をよくしておれば、
負けることはあるまい。」
と、武田信玄は言う。
かつて、日経新聞の記事にこんな記事がありました。
背水 国有東電(5) 止まらぬ依願退社
「お世話になりました」。6月末、東京電力社内で中途退社の挨拶を交わす社員の姿があちこちで見られた。2013年度に入って辞めた社員は100人強。昨年度までの2年で約1200人が社を去ったが、なお人材流出は止まらない。
経営戦略を担う企画部のエースはソフトバンクに、蓄電池などの研究で実績を持つ技術者はシャープに転職。新規事業に携わっていた中堅は楽天に移った。ある東電幹部は「働き盛りで優秀な人材ほど辞めていく」と頭を抱える。給与は2~3割下がり、原発事故の中傷も浴びる。心が折れ辞める社員も多い。
傾く、国や組織からは、
有能な人材が流出する。
なぜなら、自分の力で、
さらにステップアップの見込みがあるからだ。
そして、できたら辞めてもらいたい、
コストパフォーマンスの悪い人間ばかりが残ることになる。
冒頭の武田信玄の「人は石垣 人は城」の言葉。
いくら立派な城があっても、
有能な人材がいなければ、滅びるとの直言。
かつて、三国志の劉備玄徳は三顧の礼を尽くして、
諸葛孔明を陣営に引き入れた。
人材を捜して、自陣に引き入れなければならない。
これは、綿密な計画がいる。
毎年、計画的に、優秀な人材を求めて
確保していかなければならない。
世代間、男女間の格差の無いように、それぞれに、
万軍の将を獲得していかなければならない。
それでこそ、万代の繁栄を築くことができる。
それを、単なる欠員補充、縁故、
リーダーの保身で周りを固めたら、凋落は目に見えている。
他陣営で使えないもの、
浪人を集めても仕方がない。
ヘッドハンティングしてこなければだめだね。
「人材獲得」チーム。これは、
戦場で武功を上げる大将以上に重要かも知れない。
なぜなら、10年後、20年後の戦の勝敗にかかわることだからね。
「高鳥尽きて、良弓蔵わる。
狡兎死して、走狗煮らる。
敵国破れ、謀臣滅ぶ。」
高く飛ぶ鳥が捕り尽くされると、
良い弓は仕舞われる。
すばしこいウサギが捕り尽くされると、
猟犬は煮て食われる。
敵国が破滅すれば、
謀臣は殺される。
「項羽と劉邦」劉邦の臣下、韓信が言ったとされる。
人材について、大変意味が深い言葉である。
勇将は根のようなものであり、
そこから枝となって勇敢な兵卒が生まれる。
(フィリップ・シドニー)
「三顧の礼」をもって、人材を求めねばならぬ。
クズは、何人集めてもクズ。
結局、二流三流が残り、阿諛追従の徒だけが、ぬくぬくと残る。
その組織の崩壊もまた近い。
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